これは今年読んだ中で一番グサッときました。
比較的最近の小説ということもあり「Kindle Unlimited」ではないのですが、、、今回取り上げたいと思います。
基本情報
タイトル | 著者 | ページ数 | 発売日 | Kindle価格 |
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傲慢と善良 (朝日文庫) |
辻村 深月 | 449 | 2022/9/7 | ¥765 |
「傲慢と善良」感想
この小説は一体何を描いているのか?
恋愛小説なのか?
結婚をテーマにしているのか?
それは正しくもあるが、正しくはない。
私の拙い文章よりも、帯の裏に書かれてある解説文が、この小説を要約してますので引用させていただこう。
「この小説は、何か・誰かを”選ぶ”とき、私たちの身に起きていることを極限まで解像度を高めて描写することを主題としている」
見せ方も上手い。
基本的には恋愛・結婚をテーマにしつつも、この本を取って1ページ目を読んだら最後。
1ページ目から惹きつけられる展開で「何が起きてるんだ!」ってなり、一度読み始めるとやめられなくなってしまう。
謎が謎を呼ぶ、まさにこれはミステリー小説だ。
そう、「恋愛・結婚」 × 「ミステリー」
そして、ミステリーが意外な結末を迎えた時、真のテーマと再生の物語が始まる。
深い・・・
深く、深く人の心の奥底に潜っていく。
そして、誘われ潜っていった先で、まだ発見していない真実を見せつけられる。
だから、この本を読んだ誰もが「はっ!」とさせられる。
考えさせられる。
ちなみに、こう書くと人間の暗部が描き出される小説で、読了後に惨憺たる気持ちになるように思われるかもしれませんが、決してそんなことはないのでご安心を。
この辺りは著者の作風なんでしょうね。